• web担

KQC Times 2020年10月号

 皆さんこんにちは!秋学期が始まってみなさんいかがお過ごしでしょうか。対面授業がある方もいらっしゃるかと思いますが、依然としてオンライン授業が主な毎日かと思います。筆者は理工学部なのですが、秋学期の実験もすべてオンラインとなってしまいました。動画を見て考察しなさいという…、なんて世の中になってしまったのでしょう。実験は言うまでもなく、満足にキャンパスにも行けず、学費の半分くらいは返してほしいものです。

 さて、毎日課題に追われていますので、今回はさらっと鉄道について触れたいと思います。鉄道雑学#3ということで、直通運転の不思議を取り上げます。

◆直通運転とは何か。


 直通運転とはその名の通り、異なる鉄道会社が線路をつなげ、電車を直通させることで乗り換えなしで乗客を運ぶシステムのことを言います。主に地下鉄と普通の私鉄/JRが直通する例が多いです。代表例を挙げましょう。日吉まで東横線で来られる方ならご存知かと思いますが、東横線と東京メトロ副都心線が渋谷を境に直通運転を行っています。したがって、東横線内なのに地下鉄副都心線の車両がやってきたり、逆に地下鉄副都心線内で東急の車両が見れたりと車両のバラエティに富んでいます。もう少し詳しく申し上げると、東急はみなとみらい線とも直通運転を行っており、直通先の副都心線は西武線と東武東上線にも直通しています。つまり東横線内で東武の車両に乗れたりもするのです。

◆直通線データ(東京の地下鉄関連)


以下の路線で直通運転を実施しています。地下鉄は色付きで表示。

日比谷線―東武スカイツリーライン

・中央線各駅停車―東西線―総武線各駅停車/東葉高速鉄道線

・小田急線―千代田線―常磐線各駅停車

・東武東上線/西武線―有楽町線

・東急田園都市線―半蔵門線―東武スカイツリーライン

・東急目黒線―南北線―埼玉高速鉄道線

・東武東上線/西武線―副都心線―東急東横線―みなとみらい線

・京急線―浅草線―京成線

・東急目黒線―三田線

・京王線―新宿線

◆東武の車両なのに東武に直通しない!?


 地下鉄に乗る時、私鉄の車両なのにその私鉄に直通しないで地下鉄線内で折り返すような電車を見たことはありませんか? 東武東上線の車両なのに和光市に到着したら東上線の方には行かず、折り返してまた渋谷方面へ行ってしまう…。小田急線の車両なのに代々木上原に到着したら小田急線の方には行かず、折り返してまた綾瀬方面に行ってしまう…。などなど。なぜ私鉄の車両なのに地下鉄線内で完結してしまうんだと思ったことがある人もいると思います。直通運転を行っている会社では、その車両が自分の路線ではなく他社の路線内でひたすら往復しているなんて例がよくあります。このことから、地下鉄なのに地下鉄の車両が全然来ないなんてこともしばしば。なぜこのようなことが起きるのでしょうか。実はこれは鉄道会社間の車両の貸し借りというものが存在するからです。

◆車両貸し借りの概念


 直通運転を行えば必ず一方の会社の車両がもう一方の会社の路線内に入ることになります。つまり他社に自社の車両が入った時は自社の車両を“貸す”ことになるのです。逆に自社に他社の車両が入ってきたときは、他社の車両を“借りる”ことになります。会社間の接続駅を境に車両の貸し借りが行われているのです。しかし、鉄道会社間でイチイチ車両の貸し料・借り料を精算するのはめんどくさいですよね。そこで取られている手法が、自社の車両を“貸した”分だけ他社の車両を“借りる”という手法です。つまり貸し借りがちょうど一緒であればキャンセルされて、貸し料・借り料を精算しなくて済みます。では、どれくらい貸した・借りたのかというパラメーターは何なのでしょうか。ずばり、距離です。自社の車両を“貸す”距離と他社の車両を“借りる”距離が一緒になるように運行ダイヤが組まれています。車両の貸し借りについてお分かりいただけたでしょうか。

◆他社の路線内をひたすら往復しているワケ


 さて、本題に入ります。A社とB社が直通運転を行っていて、A社もB社も路線が同じ距離だったら貸し借りの計算は簡単です。車両を1往復貸したら1往復借りればいい話です。しかしこの世の中そううまくはいきません。以下に例を示します。

B社の路線距離がA社のそれよりも3倍あったとしましょう。A社の車両がB社内を1往復したとき、それに辻褄を合わせるにはどうすればよいでしょうか。図に示しましたが、A社の車両がB社内を1往復した場合、同じ距離を稼ぐためにはB社の車両がA社内を3往復しないといけません。時間的制約もありますので、B社の車両はA社に閉じ込められることになるのです。もうお分かりでしょうか。自分の路線に行かないで他社の路線内をひたすら往復している車両が存在するのにはこういう理由があったのです。

(つづく)

 さて、今回は34期の倉片さんと谷さんにコラムを書いていただきました。それでは9月号のスタートです!

****************************************

【トピック】